J2EE

Since: May/18th/2004

Java プラットフォーム

J2EE は Sun の公開している抽象 Java プラットフォームの一つで、他のカテゴリには J2SE, J2ME があります。

J2SE...Jave2 Platform, Standard Edition: Java 実行開発環境の標準セット。言語仕様拡張などはここから追加される。2004 年現在最新版は 1.4.x。1.5.x のリリースは 2004 年 6 月の予定。二年に一回リリースアップするので、1.6.x になるのは 2006 年の予定。
J2EE...Jave2 Platform, Enterprise Edition: J2SE の言語仕様に基づいて、サーバサイドの仕様などを追加した Java 実行開発環境。Servlet, JSP, J2EE, JTA, JMS などの仕様が追加されており、Web アプリの準拠すべき設計を仕様としてまとめたもの。最新版は 2003 年 11 月リリースの 1.4.x。J2SE よりも一年ほど遅れてリリースアップする。
J2ME...Jave2 Platform, Micro-Edition: J2EE が J2SE を前提とするのに対して、J2ME は J2SE とは互換性を持たない。

J2EE は J2SE に、エンタープライズ用の API 仕様と設計仕様を追加してものです。現在主流の J2EE 1.3 には、Servlet 2.3, JSP 1.2, EJB 2.0, JMS 1.0, JTA 1.0, JavaMain 1.2, JAF 1.0, JAXP 1.1, JAAS 1.0, Connector 1.0が含まれます。2003 年 11 月にリリースされた、最新版の J2EE 1.4 では、EJB 2.1, Servlet 2.4, JSP 2.0, JMS 1.1 JTA 1.0, JavaMail 1.3 JAF 1.0, JAXP 1., Connector 1.5 などが含まれます。

J2EE 4 層モデル

J2EE 仕様では、システムを Client-Web-EJB-EIS の四層で表現する。

図：J2EE 四層構造

Client 層: クライアントは、アプレット／スタンドアロンの Java アプリ／ブラウザ／Lotus Note のようなリッチクライアントである可能性がある。特に、携帯端末によるアクセスが急増している。
Web 層: Tomcat を始めとする Web アプリケーションサーバがこれに当たる。この層には、負荷分散装置（エッジサーバ）／HTTP サーバを含む。
EJB 層（ビジネス層）: JBoss を始めとする EJB コンテナがこれに当たる。製品としては、Web 層まで含めたものが主流で、BEA WebLogic, IBM Websphere Application Server (WAS) などがこれに当たり、一般に J2EE サーバと呼ぶ。JBoss の場合は EJB コンテナとしての機能しか持っておらず、Web 層は Tomcat などのアプリケーションサーバと連携する。
EIS (Enterprise Information System) 層: データベースや基幹業務のレガシーシステムがこれに当たる。データベースの場合は、Oracle , IBM DB2 などになり、IBM IMS などの基幹システムへの連携のための中継として WebSphere MQ や CICS などが該当することもある（IMS でも Java は動くが、外部のシステムとして分離して、ミドルウェアで中継することが多い）。

フレームワーク Struts を始めとして、Web アプリの多くが EJB を必須としません。Servlet/JSP だけで動く中小規模のシステムは Tomcat のような Web 層のコンテナ（Seflet エンジン／JSP エンジン）だけで機能的には十分です。

EJB を動作させる場合に限り、EJB コンテナが必要になります。JBoss はオープンソースの EJB コンテナであり、Tomcat のような Web 層のコンテナと連携します。BEA の WebLogic、IBM の WebSphere Applications Server (WAS) などは J2EE サーバであり、Servlet/JSP と EJB の両方が動きます。

J2EE 四層に該当するコンテナを図示すると次のようになります。

図：J2EE 四層のコンテナ