since: 30th/Aug./2000; last modified: 30th/Sep./2001
インターネットの文書システムが WWW です。この文書を閲覧するアプリケーションソフトウェアは、 WWW ブラウザと呼ばれます。現在では MS I.E.5.0/5.5/6.0 が殆どを占めていますが、他にも多くのブラウザが存在します。
米WebSideStory | 2001年2月発表 | MS I.E. 87.7%、 Netscape Navigator 12.0% |
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CSJ iNET GUIDE | 2001年6月発表 | MS I.E. 88.7%、 Netscape Navigator 8.6% |
このサイト | 2001年9月集計 | MS I.E. 90.0%、Netscape Navigator 8.0% |
信用できる統計情報が少ないので、確かなことは分からないけれども、 "MS I.E.5.0/5.5/6.0" が全体のシェア 80-90% を占めている模様。残りを N.C.4.7, Netscape6, Mozilla がシェアしている。
但し、企業内のデフォルトWWWブラウザ(イントラネットなど)にN.C.を想定しているところもあり、個人ユーザではN.C.の比率は更に落ちると思う。
本稿中の用語「標準」は W3C 勧告を指し、 RFC などの国際標準規格ではない。
史上初のグラフィカルブラウザ。現在で言う、オープンソースで開発が進められ、瞬く間に高機能化していった。米国政府がソースコードを管理し始めてから、開発者たちが退き、当時の中心人物によって Netscape 社が創業された。
"Mosaic" 開発者が創業した Netscape 社が開発した高機能ブラウザ。 "Mosaic" を押さえて、 "MS I.E. 4" 以前まではデファクトスタンダード(事実上の標準)だった。 HTML やプロトコルに独自拡張の機能を追加していき、それらは現在の「標準」にも採用されている。当時は Netscape 絶対正義だった。開発名は "Mozilla" であり、 "Mosaic" を食べる怪獣の名前とのこと。 Netscape 社にとっては栄光の名前であり、2001 年に復活する。
"MS I.E." とのブラウザ戦争が激化していくに従い、 "MS I.E.3" 以降から徐々にシェアを奪われていく。この途中で HTML などの規格は W3C が策定するようになり、これが「標準」となる。 Netscape 社は「標準」サポートを謳いながら、満足にサポートできず、 "MS I.E." に溝を空けられていく。
MS I.E. に対抗して Netscape 社が投入したインターネット統合環境で、ブラウザ (Netscape Navigator)、メールハンドラ、作成ソフト、 FTP クライアントソフトなどが同梱されている。最終バージョンは 4.7 。
ウェブページレンダリング能力で "MS I.E.4" 以上に大きく溝を開けられ、 Netscape 社の凋落を象徴した。独自拡張機能を多く備えるが、市場をリードできず凋落の一途を辿った。「標準」を無視した独自拡張路線は、標準の普及を妨げると言う点で罪は重い。
良くある誤解として、次のものが挙げられる:
以上は全て誤りです。Netscape 社はリリースを停止するか、バグを含むことをウェブページ上で告知すべきだったと思う。
"N.C.5" 開発からオープンソースにし、この活動中で "Mozilla" が生まれた。
"N.C.5" の開発中に開発されたレンダリングエンジン "NGLayout" を搭載し、ゼロからソースコードを書き上げた全く新しいブラウザである "Mozilla" をベースとして、 Netscape 社がカスタマイズ、チューニングしたブラウザ。ブラウザ (Netscape Navigator)、メーラ、作成ソフトなどが同梱されている。因みに、 "N.C.5" の開発コードは破棄され、リリースされなかった。
"N.C.4" でサポートされていた独自拡張機能は完全に廃棄され、後方互換は全く無いと言う点で、 "N.C.4" の上位バージョンではなく全く新しい製品。「標準」を適切にサポートしており、多くの点で "I.E.5/6" に似ている。レンダリング能力は優れているが、アプリケーションソフトとしての完成度はいまいち。動作が重く、クリックなどの反応も悪い。 Netscape 社の正式公開版であるが、実験的な印象が強い。各方面からリリースは時期尚早との悪評が立った。因みに、ベースとした "Mozilla" は未だベータ版であり、正式公開版ではない。
"Netscape6.0/6.01" の上位バージョン。アプリケーションソフトとしての完成度が向上し、操作性、応答性が劇的に向上した。実験的な印象が強かった前バージョンのような不安定さは感じない。フォント周辺の機能の不具合は残るが、テーブル周辺のレンダリング能力は改善された。 2001 年現在で最も完成度の高いグラフィカルブラウザの一つ。因みに、ベースとした "Mozilla 0.9.2.1" は未だベータ版。
但し、 XML 系のサポートは弱く、 XSL はサポートされていない。何故か XHTML を XML 文書として読もうとすると HTML のレンダリングをしてくれて、親切なのかどうなのか。また、サーバとのネゴシエーションの方法が業界標準とは異なるので、サーバ管理者は対応に大変だった。
Netscape6.1 と基本的に変わらないが、アプリケーションとしての完成度は高い。 Netscape 社が AOL に買収された効果が出たのかどうなのか。2002年2月現在では、 Opera6, I.E.6 と共にお勧め。 Linux では Mozilla か N6.2 が標準的な選択だと思う。
"Mozilla" には二つの意味がある。一つは、 Netscape 社創業当時に開発していたブラウザ Navigator の開発暗号名であり、これはその後デファクトスタンダードになった。もう一つは、現在開発が進められている期待のブラウザである。 "Mozilla 0.9.4" は9月14日現在の最新版。9月20に日本語パックもリリースされた。 "Mozilla 0.9.8" は2月4日現在の最新版。2月6日に日本語化パッチもリリースされた。
Netscape 社はシェアを "MS I.E." に大きく奪われている為、 "Netscape Communicator 5.0" をオープンソースでの開発することにした。ここでオープンソースを管理する団体が Mozilla.org (日本語情報)である。このとき、平行して開発が進められていたレイアウトエンジン "NGLayout" が高機能であった為に、 "N.C.5" の開発ソースは破棄して、全く新しいブラウザを開発することになった。これが "Mozilla" である。 "NGLayout" は "Gecko" の名で知られている。
但し、 XML 系のサポートは弱く、 XSL はサポートされていない。何故か XHTML を XML 文書として読もうとすると HTML のレンダリングをしてくれて、親切なのかどうなのか。
これをベースにカスタマイズ、チューニングし、 Netscape 社の製品として正式に公開したものが Netscape 6。 "Mozilla" 自身の正式リリースは当初2001年10月を予定していたが、2001年12月現在のリリース予定は2002年4月になっている。
OSS ライセンスは MPL (Mozilla Public Lisence)。
「標準」を殆どサポートし、アプリケーションソフトとしての完成度も高い。 Windows 上では "N.C.4" をほぼ完全に駆逐した。 "MS I.E.4" 以降から、ページの閲覧において、可読性を損なうような決定的なレンダリング不良は起こさない。私の評価は "I.E.5.5" と "Netscape6.1" が同じくらい。
描画速度が向上し、ユーザビリティに関係する機能が強化された。
米司法省と独禁法問題で対立しており、OSとの分離が囁かれているが、リリースリ直後から Netscape6 と同等のシェアを獲得。 XML サポートが強化されており、 N6 よりも抜きん出る。
他にも、目の不自由な方のための音声合成ブラウザ、点字触感フィードバックブラウザなどが実用されている。
2001 年 9 月末の時点では、 "Netscape 6.1", "MS Internet Explorer 6.0" の二択だろう。 WWW ブラウザとしての機能は同格。例えば、 "Netscape6" はフォント周辺の機能が "I.E.6" に劣るが、 "I.E.6" がサポートしていない機能をサポートしていることもある。どちらが好ましいかは、ご利用環境と慣れ、及び周辺機能に依存する。テキストブラウザとして "W3m" も選択肢に上る。