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お勧め参考書リスト
~大学受験編
Last update: 5th/Oct./'98 α版
四年制大学受験に当たっての基本的、或いは有名な参考書。自宅学習を想定した。予備校の内部生、本科生になっている場合は、そちらの予習・復習をしっかりやることを勧める。
このリストは家庭教師の必要上作った。かれこれ4,5年前の体験がベースになっており、いまの感覚からは少なからず遊離して居るはずである。御存知の通り、3年前に大幅な文部省指導要領の改変があったし……
載録方針は以下の通り。いずれも主観的感覚的で、当然ながら如何なる理論的背景も有しない。
- 廉価で、且つ入手の困難が無い。
- 初学者に親切で、当該分野に付いては一冊で済む。
- 半年単位の長期使用に耐え、実用的である。
- 載録に当たり、偏見を怖れない。
但し初歩的なものには余り特徴が無いので、その手の有名なものは端折った。その手の問題集は学校御仕着せのもので充分。
実際の購入に当たって、自分で手にとって眺めてみるのは当然。以下のリストはあくまでも、その為の試案であって、叩き台です。内容云々以前に、活字、組版が性に会わないということは日常的に起こることです。
…… 「なんでお前が、こんなもん作ってるんだ」 なんて云っちゃいやよ。作っちゃったからアップした、唯それだけのこと。
実は大概のことは英和辞書に載っている。しかも英文の日本語訳が実に巧い。そんなわけで、辞書の効能、利用法は際限無いのだけれども、一応学習参考書なんかも挙げてみましょう。
長文読解
- 「英語長文基礎問題精講」 旺文社 …「英語長文標準問題精講」の方が有名だが、高校二年の内はこの程度のものが良いと思う。但し、「基礎問」も「標問」も非常にストイックで、著者の呟きは殆ど聞こえない。その佇まいに御人柄が偲ばれるか?
- 筒井正明 「英文解釈 その読と解」 駿台受験叢書 …英文もテクストなのだから、文の文法構造を把握して読めるだけでは不充分。問題はその次、如何にして解釈するか。本書では一つの長文の解説を、1.文法事項の説明、2.全訳、3.解釈の三部に分けている。1.2.は勿論学参の標準をクリア、つぼを突いている。が、3.で挙げられている「解釈」は勿論「答え」ではない。一つのテクストから無限に生成される解釈のほんの一例に過ぎない。「学参」としては異例の無駄な紙幅の割き方に気概が感じられて良し。
- 奥井潔 「奥井の英文読解 3つの物語―分析と鑑賞」 駿台レクチャー叢書 …短編三つ(Mary LAMB, William Somerset MAUGHAM, Graham GREENE)に詳細な解説が付いた小冊子。英語長文系の学参に載っている英文はどれも非常に短い、断片的なものばかりだ。そこで、完結した作品を英語で読むと言う試み。学校のsub readerの授業がいいかげんでつまらないと言う人は一度本書を読んでみよう。本文中からは著者自身声は実にか細くしか聞こえてこないが、端々に漏れる呟きは、的確な案内となろう。
- 高橋善昭 「英文読解講座」 研究社 …言語の解釈に於ける表層への遡行。文を徹底して構造に還元して、意味を構造から引きずり出す作業は快感。英文の直読直解のための訓練でも有る。本書で文法事項の骨組みをしっかり理解しよう。
- 副島隆彦 「英語で思想を読む」 ちくまライブラリー38 …銀行員を経て、代ゼミの講師という経歴に好感が持てる。英語圏の思想16編。個々の分量がある程度長いので本書だけで充分面白い。総ての英文に3,4ページの案内が付されており、思想関係に暗い方にも親切。学参ほどではないにせよ、準ずるほどの解説が有り、勿論全訳付き。彼の言説に転倒を引き起こすほどの強靭さがあるかどうかは別として、英語学習に関しての発言はマキャベリズムに徹していて良し。副島の「英文法の謎を解く」ちくま新書 シリーズ(「続・~」、「完結編」)は文法の勉強の裏街道といった、アナーキックな感じが良し。
- 上田勤、行方昭夫 「英語の読み方、味わい方」 新潮選書 …第一部:上田;40個の例文に解釈と全訳。語法、句法、表現にこだわって情緒的な鑑賞を強調する。第二部:行方;ヘンリー・ジェイムズの「五十男の日記」を丸ごと載録。語法、句法、表現にこだわり、紛れの有る所は必ず解説してある。英文鑑賞という点で他の追随を見ない。
文法書
- 伊藤和夫 「新・英文法頻出問題演習」 駿台受験叢書 …英文法問題辞典。所謂「英頻」。問題集としては使い辛いかもしれないが、問題の選定、カテゴライズが非常にシステマティックに練られている。是非持っておきたい一冊。不明な点を参照すれば、必ず該当する問題が見つかる。この版のリファレンスとしては他の追随を許さない。
- 「英文法頻出問題演習」 桐原書店 …所謂「裏英頻」(呼び方は地方による)。問題の選定、カテゴライズが「英頻」よりいいかげん。その分、読者は文法的なことにシームレスに熟語、連語の訓練に集中できる。問題集としての使い易さは「英頻」より上。
- 「英文法標準問題精講」 旺文社 …ド定番。所謂「文標」。難しすぎると感じたら「英文法基礎問題精講」。いずれも重要な文法事項は繰り返し出てくるので、まずは一通りながして欲しい。書きこみでぐちゃぐちゃになった本書を見る頃には、文法問題は点取り分野のはずである。マニアックに極める積りが無ければ「基礎問」で充分。
- 「EXAM イグザム」 旺文社 …六章程度に分れていて、章単位で三つくらいに分けて平行して進めるべき。問題集の使い易さという点では最高点をあげたい。愚直に問題が羅列している佇まいがストイックで良し。
- 「英文法講義の実況中継 上・下」 語学春秋社 …実況中継シリーズの名を売った本。なるほど、一冊目としては取っ付き易さと云い、解説と云い、打って付か。例えば、仮定法の解説はなるほどコンパクト、且つ妥当。当該分野の問題、例文を例えば「英頻」や「基本英文700選」 駿台受験叢書 などで検索してみると、必ずしも妥当しないケースもあるのだと云うことが納得できて非常に勉強になると思う。
以上、挙げたのは基本的に問題集だが、参考書、文法辞典は、学校御仕着せも市販もあんまり変わらない。気骨溢れる本格派から、user interfaceに凝ったものまでぴんきりですがね。
単語帳
基本的に単語は長文で覚えてもらいたい。英単語は茫漠とした感覚で捕らえたいもの。逆に云えば、単語―単語対応の暗記ではボキャブラリーが増えたことにはならないし、それで英語が理解できるとは思えない。天津さえ、そんなもん持ってきてデコードだ、なんて以ての外だ。大雑把な知的情報は伝達できても、である。その意味では英和辞書など幾ら牽いても英語そのものは理解できないと思う。インコメンシュラビリティーincommensurabirity というのは特殊な概念ではなく、日常的なもので、同一の共同体に属してさえ刹那刹那、意識せざるを得ないものだと思う。厚顔にも、通俗的紋切り型な定型表現を云えば、言語は通じなくて当たり前だ。それだけに「形式」、「構造」に遡行して行く他、選択の余地は無いようにすら追い詰められてしまうのだけれども。
その意味では辞書を牽くなら英英辞書、英和辞書なら当該の単語に付いては総て読む、ということが欠かせない様に思う。単語―単語対応で一英単語当たり三単語覚えるよりも、たった一つの短い例文を覚えた方が余程有意義だと思う。……それにしたって限界を感じて無力感に苛まれるのだけれども。
そう云う意味で、言語は勿論表層的なものだけれども、表層的なだけに精神とか何とか云うロマンチックなものよりも余程アクチュアルなものだと思う。言語の体現、体得無くして、「肝に銘じて」咀嚼すること無くして、異文化理解は不可能だと思う。人間原理を私は退けるけれども、ドクサ無くして、パースペクティブ無くして、或いは斜に構えて云えば、paradigm無くして、「世界」なんか無いと思う。個人は所詮閉じた宇宙としても、否、それだけにコミュニティー無くして、「意味」無くして、「形式」無くして、「世界」は存立し得ないと思う。「世界」イクォール「意味」で、「アクチュアリティー」だと思う。……本職の方、すみません。素人の駄言です。非本職な方、すみません。ここでの言説はノミナリスムスに偏り過ぎで感情的ですらあります。くれぐれも鵜呑みにしないで下さい。
さて、そんな不健康な日和見を余儀なくされてしまうような処で、私は何を擁護したいと云っているのでしょうか。
なんて、大上段に構えてアジってみても、マキャベリズムには選抜試験があるわけで、制約された時間の中では自ずと限界が有る。そんなときに「単語帳」である。私は以上の観点から単語帳は「インチキ」、「ズル」だと思う。単語帳を使うに当たっては、そう云う諦念は不可欠だと思う。
で、青臭くて、聞いてる方が気恥ずかしくなる、余りにナイーブ(i.e. 単純、愚鈍)な地口が長くなって恐縮だが、お勧め単語帳リスト。
- 「標準英単語」 桐原書店 …上級英単語、実戦英単語などが有るシリーズだが、自身に単語が足りないと思ったらこの辺りから始めてみては如何か。実際、このシリーズの中で一番確りしていると思う。
- 「DUO デュオ」 …慧眼の方は上述の論旨で予想が付いたと思うが、そう云う意味で勿論勧める。因みに、本書に限らずCDが付いているものは必ず買うべきだ。
- 「速読英単語」 増進会出版(Z会) …それならこれの名が挙がらぬのは嘘だろう。
- 「ターゲット」 …単語帳のド定番だから一応挙げておく。数年前に例文が別冊子に付いたが、それでも別冊子だとめんどくさくて見ないよ、多分。
どれもあんまり変わらないかもしれないけど、「これは酷い」と思われるのも有るから注意してね。
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