Revised: 19th/Dec./2004, Since: 29th/May/2002
WWW (World Wide Web) の文書は HTML (HyperText Markup Language) と呼ばれる規格に従って記述します。HTML で記述された文書を HTML 文書と呼びます。
ウェブサイト(ホームページ)と呼ばれるものは、例えば「IBM ホームページビルダー」や「Macromedia Dreamweaver」などの HTML オーサリング・ツールと呼ばれるもので記述することが殆どです。これらのツールは、MS Wordのようなインタフェースで、完成結果を見ながら HTML ページを記述するものです。一方、これらのツールがファイルに書き出す HTML は、単なるテキストなので、メモ帳をはじめとするテキスト・エディタでも記述できます。
HTML オーサリング・ツールを使うにしても、細かい微調整などはテキスト・エディタで行います。本稿では、オーサリングツールが何を書き出しているのか、書き出したものが妥当なのか、どう使えば適切に書き出されるのかといったことを判断できるようになるために、HTML をテキスト・エディタで記述するための知識を説明します。
テキスト・エディタだけでもウェブ・ページの記述は可能です。当サイトの全てのページがテキスト・エディタだけで作成/編集されています。
本稿に従って HTML 文書を作成いただくと、あまりにも素朴な見栄えに驚くかもしれません。「俺はここを大きくしたいんだ」、「ここは赤くしたい」、「もうちょっと上なのに」などの要求が、ブラウザ任せでまったく指定できないからです。しかし、最初はこれで良いのです。
文書は、内容と見栄えの2面に分けて考える事ができます。HTML の目的は、文書の内容を記述することです。たとえば、同じ作家の作品が、文庫本と単行本で出版されている事があります。それらの見栄えは、表紙、紙質、版型、フォントなどなど全く異なりますが、内容は、見出し、段落分け、章立て、などなど一言一句同じです。 HTML は、見栄えではなく、内容を記述するための規格です。
インターネット上で公開される文書は、さまざまな閲覧装置で出力されます。一般的なパソコンモニター、白黒モニター、グリッドモニター、音声出力、点字出力などの出力デバイスの違いがあります。PC モニターに限っても、閲覧の為に使っているソフトウェアが、グラフィカル・ブラウザ、テキスト・ブラウザ、音声ブラウザなどの違いがあります。グラフィカル・ブラウザに限っても、マイクロソフト Internet Explorer、 Mozilla Firefox、 Opera などの違いがあり、それぞれにバージョンの違いがあります。
インターネットで公開する文書は、どのように出力されるか分からないので、最低限度内容を伝えられることに注力しなければなりません。そのために、「ここからここまでは大見出し」、「ここからここまでは段落」、「ここからここまでは連絡先」などのように、意味を出力方法から独立させて表現することにしました。そのための規格が HTML です。
優れた内容の文書が優れた見栄え/表現で提示されれば素晴らしいものです。文書には、内容のほかに、プレゼンテーションという側面も、重要な要素として確かに存在します。 HTML が内容を記述する一方、見栄えは CSS と呼ばれる別の仕組みで提供します。本稿は、 HTML の入門用のコンテンツです。 CSS についても入門用コンテンツを提供していますので、どうぞ御利用ください。